2020年05月27日

きみはいい子 ~池脇千鶴と尾野真千子の安定感と高良健吾のナチュラルさ~

中脇初枝原作 高田亮脚本 高良健吾主演 「きみはいい子

中脇初枝の原作「きみはいい子」は5話からなる短編集で
映画「きみはいい子」はその中から
「サンタさんの来ない家」
「べっぴんさん」
「こんにちは、さようなら」
の3篇に焦点を当てたもの。

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子どもを抱きしめるメインビジュアルが見終わってからグッとくる。
作品冒頭で、いじめや虐待のシーンがあり見ていてつらいシーンもあるが、
最後まで多くの人に見てほしい作品。

脚本とキャストが素晴らしかった。
特に、高良健吾・尾野真千子・喜多道枝がメインとなる3つの話が
直接的に交わることなく話が進んでいく展開の高田亮脚本はお見事。
最後に3人が重なることを期待してしまうという気持ちもなくはなかったが、
より日常的にどこでも起きているのではないかと感じた。

キャスティングもはまっていた。
高良健吾の今どきあるある感の教師も良かった。
児童たちとのやり取りはどうしても作りこまれてリアリティがない感じに
なってしまいがちだが、この「きみはいい子」は違った。
1984年に放送されたTBSの名作「うちの子にかぎって・・・」を彷彿させる自然さだった。
中でも宿題の結果を聞くときは、ちょっともたもた感もあったけど、
それが自然で良かった。

そして尾野真千子と池脇千鶴もめちゃくちゃ良かった。
気の強い女を演じさせたら岩下志麻の次と言うくらいにはまる尾野真千子。
子どもへの虐待シーンは目を覆ってしまうが、さすがの演技。
そして池脇千鶴の頼りなさそうで、でも肝がすわっているママもいい。
その池脇千鶴が自分の境遇を語りながら、尾野真千子を抱きしめるシーンの温かいこと。
この作品の名シーンのひとつで、尾野真千子の感情の掃き出しかたの自然さに圧巻。

そしてもう一人の主役、喜多道枝。
終盤の近くの富田靖子とのやり取りの安定感は、見ていて気持ちがほっとなった。
喜多道枝の優しい言葉・表情と、富田靖子の感情がまた素晴らしく、画面に見入ってしまった。

子どもに「ギュー」って、今日もしよう。

改めてだが、とにかく多くの方に見てほしい作品。

公開日:2015年6月27日
受賞:
第37回モスクワ国際映画祭・コンペティション部門 NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)
第7回TAMA映画賞 最優秀作品賞
第25回日本映画プロフェッショナル大賞 第9位
第28回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞 主演男優賞:高良健吾

インタビュー
posted by ようすけざん at 00:59| 東京 ☀| Comment(0) | 映画全般 | 更新情報をチェックする