たまむすび ~新明解国語辞典「ラジオ」の用例は「最近のラジオはおもしろくない」から変わったか~


2020年11月16日の調査報告は

新明解国語辞典の「ラジオ」の用例が「最近のラジオはおもしろくない」。
19日(木)に第八版が発売されるが、「ラジオ」の用例は変わっているのか?

というもの。

このあとネタバレあります。

三省堂発行の新明解国語辞典では1972年1月24日の初版発行以来
「ラジオ」の用例は、「最近のラジオはおもしろくない」とのこと。

参考まで、新明解国語辞典はおおよそ7~8年で改訂していたが、
初版・・・1972年1月24日
第2版・・・1974年11月10日
第3版・・・1981年2月1日
第4版・・・1989年11月10日
第5版・・・1997年11月3日
第6版・・・2004年11月23日
第7版・・・2011年12月1日
第8版・・・2020年11月19日
今回は9年ぶりの改訂となった。

月曜たまむすびの放送作家佐藤研(サトケン)さんが、
文化放送「福井謙二 グッモニ」の作家を務めていた2013年に取り上げた。
その後も、小説新潮のコラムに書くほど気になっていたことだそうだ。


佐藤研さんの小説新潮を抜粋すると

6年前、番組の企画で編集長に話を聞きに行った。
曰く、「実際にラジオがおもしろいか、おもしろくないかは抜きにして、
用例として『最近のラジオは、おもしろくない』は間違っていません」。異議なし!
(中略)
2年前には電話で話を聞いた。「私個人としては、『ラジオはおもしろくない』とは思っていないので、
編集委員の先生方に『この用例は変えてもいいのでは』という提案はしようと思っています。確約はできませんが……』。

と、新明解国語辞典の編集長に2回にわたってアプローチされていた。

そして、第8版はどうなったのか・・・・


ラジオの用例は
『最近のラジオは、おもしろくない』
から
『ラジオから得られる情報は多い』
に変更されていた。


サトケンさんが泣きながら、連発する「おもしろいなあ。」
に聞いているこちらも胸が熱くなった。

そして、三省堂辞書出版部 国語辞書第一編集室吉村三惠子さんの手紙が読まれた。

【前略】
放送作家の佐藤さんから【ラジオ】の用例についてのご指摘をいただいた時のことは今でもよく覚えております。
初版から同じ用例が入っていたことに全く気づいておりませんでした。
【ラジオ】の用例として「最近のラジオはおもしろくない」は間違っているわけではないのですが、
中学生の時から毎朝ラジオに親しんできた身としては「何とかしなくては・・・」と心に刻みました。
それからずっと気になっておりまして、今回の改訂でようやく【ラジオ】の用例にも手を加えることができ、
「これでラジオ関係者の方にも顔向けができる」と私自身、心からホッとしている次第です。
【後略】

全文を聞くと美しい日本語と丁寧な気持ち、そして辞書に対する愛を感じる手紙だった。

「ラジオから得られる情報は多い」

とてもいい用例だ。
サトケンさんの気持ちが動かしたと言っても過言ではない。
本当に世の中おもしろいなあ。
ギャラクシー賞に選ばれてもおかしくない。

そして「たまむすび」がここまで続く理由も垣間見れた。
それは、カンニング竹山が「ラジオから得られる情報は多い」と言った後に
赤江珠緒が放った言葉「うちの番組自体がそこに入るかは一旦、置いといて」と言ったことだ。

間髪言える赤江珠緒の瞬発力最高。
おもしろいなあ。

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